最後のとき 遺言と後見人制度
争族を避けたい そのために
先に述べましたように、日本の相続で『相続税』が必要な人は、5%程度です。ほとんどの人は相続税対策が必要ないかもしれませんが、「相続税対策」と「相続対策」は別物です。
相続税を払わなくてはいけないほど財産がある人も、ほんの少しの預貯金しか残らない人も、財産には違いありません。この財産をめぐり、実に悲しい「争族」問題が多々発生していることも事実です。
「うちは大丈夫」という前に、やっぱりちょっと考えておきたいものです。
遺言とは
◆遺言書があったほうが良い場合
たくさんの財産が多い場合は言うまでもないですが、財産をめぐり兄弟や親せきが争うことも少なくはありません。「うちの子供たちは仲が良いから」は、いざ財産がかかわると残念ながらそうも言えなくなります。
「争うほどの財産がない」という場合でも、争いは起こります。 たとえば本当に現金などがなくて自宅の土地家屋だけだったとしましょう。亡くなったお父さんと息子さん夫婦がずっと住んでいたとしても、その土地家屋は他に子供(息子さんの兄弟姉妹)がいれば、分割しなくてはいけません。
土地を分割しなくても、分割したとしてその分のお金や他の土地などで「代償」する必要が出てきます。生前、きちんと自分の意志を残しておくことで、争いごとを回避できる場合もあります。遺言書は財産がある、ないにかかわらず一度は検討しておきたいものです。
※遺言書があっても「遺留分」がありますので、注意が必要です。
◆遺言書は次の3つが多く用いられます。
遺言書は、民法上の一定の方式に従わないと無効になります。費用がかかりますが、公正証書として作成するのが一番無難です。
◆とくに遺言書を作っておいたほうがいい場合
・事実婚のとき
・子供のいない夫婦
・相手に相続させたくないとき
・寄付や第三者への遺贈をしたいとき
「あとは残った人がなんとかやってくれる」というケースは、稀です。自分の意志がしっかりとある場合は、正式に残しておいたほうが無難です。 なお、実際に遺言書の作成を行うときは、弁護士や司法書士などの専門家に相談してください。
◆任意後見制度
長寿社会を迎え、介護が必要な期間も増えています。心身の状況次第では、自分の意志を伝えられなかったり、判断ができなくなる可能性もあります。
特に「将来認知症になってしまったときが心配」という方などは、事前に自分で「後見人」を指定しておくことができます。必要な状態になれば、家庭裁判所に申し立て、スタートします。後見人には、子供などの身内はもちろんのこと、他人でもなることができます。また個人だけでなく法人も可能です。
身内がいるが、任せられないという場合は、弁護士や司法書士、また任意のサポート団体などにも依頼できます。その場合は当然ながら費用が発生します(費用の発生は後見がスタートした時点からで、契約時からずっと必要というわけではありません)。
とはいえ、昨今はトラブルも発生しています。後見人の選定は十分よく考えた上で行ったほうがよいでしょう。
◆任意後見制度の流れ
もも編集室 山中由美
1995年よりシニア生活情報誌「もも百歳」編集・企画に携わる。国内外の老人ホームを300ヵ所以上訪問調査、TVやラジオ、新聞、雑誌などからの取材も多く受けている。高齢者やその家族向けの「ホーム選び」セミナーや「老後のマネープラン」についての講義・セミナーを多数開催。 1級ファイナンシャル・プランニング技能士、福祉住環境コーディネーター、NPO京都府グループホーム協議会監事、その他。
■もも百歳セミナー情報
http://www.momo100.net/column/index.html/
■blog 山中由美のここだけの話
http://momo-momo.sblo.jp/
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