相続税の支払い 延納と物納
延納と物納
相続税を支払う人は少ないといえども、支払わざるをえない人にとっては大変なコトです。
特に、相続税の評価がほとんど土地である場合は、予想以上の負担がのしかかり、悲鳴を上げることになる場合もあります。他に特に財産がなく、ずっと居住していた家屋の場合は・・・
それぞれ特例もありますが、ここではまず「支払」対策としての、延納と物納を取り上げてみます。
延納と物納
◆延納
相続税は、期限までに金銭で一括納付が原則です。しかしそれが困難な場合は「延納」が認められます。その要件は、
1)相続税額が10万円を超えてていること
2)期限までに金銭による納付が困難な理由があること
3)担保を提供すること(ただし納税額50万円以下かつ延納期限3年以下は不要)
4)延納申請書を提出して許可を受けること
ただし、利子が3.6%~6%かかり、期間は原則5年以内です。たとえば、3000万円の相続税であれば、初年度は、支払う税金600万円+利子18万円かかるということです。
なお贈与税の場合の延納も原則は、期限までに金銭一括です。要件は相続税と同じですが、利子税は、6.6%となり、期間は5年以内です。
◆物納
延納によっても金銭で税金を支払うのが困難な場合は、相続財産の売却や相続財産を担保にした銀行借り入れなどの方法があります。また、相続財産そのものをもって納付(金銭を支払うかわりに現物を差し出す「物納」)があります。その要件は、
1)延納によっても金銭による納付が困難
2)物納申請所を提出し許可を受けること
3)物納しようとする財産は物納として認められるものであること
物納として認められる適格財産は、
1)国際、地方債、不動産、船舶
2)社債、株式、証券投資信託など
3)動産
に限られています。また、1)~3)の順で優先順位があります。当然、質権、抵当権や担保権の目的となっているもの、係争中の財産などは、物納できません。
物納財産として計算される金額は、原則として課税価格計算の基礎となった金額(相続税評価額)です。様々な特例で評価減を受けている場合は、その減額された金額となりますので注意が必要です。
なお、物納から延納への切り替えはできますが、延納から物納への切り替えは、「特定物納」の場合のみとなります。特定物納制度は、申告期限から10年以内に限ります。この場合、物納財産を納付するまでの期間は、延納の利子税の支払いが必要となります。
◆相続税の納付 物納と売却を考えてみる
相続財産に土地が多い場合、物納のほうがいいのか売却して金銭で払ったほうがいいのか、処分価格や相続財産に占める土地の割合などによって変わってきますので、十分な試算をしておいたほうがいいでしょう。
事例)相続財産が3億円、相続税がいずれも8000万円である場合。
乙土地(非居住用)を9000万円で売却し、譲渡費用300万円と仮定。
※詳細な計算は省略(譲渡所得は概算取得費、取得費加算、など考慮)。
※実際に計算するときは、税理士などの専門家にご相談ください。
上記の例では、土地の割合が多い(90%)ケースでは、売却して金銭で税金を支払ったほうがほうが有利になり、土地の割合が少ない50%のほうでは、物納のほうが有利となります。
もも編集室 山中由美
1995年よりシニア生活情報誌「もも百歳」編集・企画に携わる。国内外の老人ホームを300ヵ所以上訪問調査、TVやラジオ、新聞、雑誌などからの取材も多く受けている。高齢者やその家族向けの「ホーム選び」セミナーや「老後のマネープラン」についての講義・セミナーを多数開催。 FP技能士、福祉住環境コーディネーター、NPO京都府グループホーム協議会監事、その他。
■もも百歳セミナー情報
http://www.momo100.net/column/index.html/
■blog 山中由美のここだけの話
http://momo-momo.sblo.jp/
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