~いちからはじめるお金の運用~②世代別に考えたい投信
「投資信託」(投信)は、おもな運用商品としてすっかり定着してきたように感じます。特にシニア世代に人気が高いですが、若い世代も投信で運用を始める人が多いとか。
手軽に小額から分散投資が可能なので、いくつかセレクトして使い分けると面白みのある金融商品です。しかし、その果実を享受するには、世代別および利用目的別に商品選択を考えておいたほうが賢明かもしれません。不要な税金まで払わなくていいように、しっかり検討して選びましょう。
バラエティ豊かな商品群
投資信託も様々な種類が登場してきています。おもだった株式や債券だけでなく、不動産に分散したものも。また国内海外にバランスよく配分したり、新興国の債券などにも投資するものが増えてきました。投信購入の注意点として、いくつかのコストがあります。
◆購入時・・・販売手数料 ノーロードという無料の商品もありますが、
. 0%~3%前後のファンドがあります。
◆運用時・・・信託報酬 運用をお任せしている手数料です。
◆解約時・・・信託財産留保額 ファンドによって不要な場合もあります。
◆税金・・・分配金や、解約時(売却時)に税金がかかります。
投信は、大きくわけて、株式を組み入れることができる株式投資信託と、株式を一切組み込めない公社債投信があります。公社債投信の中には、MMFも含まれます。
いつでも追加購入できたり、毎月積立のように購入できる「追加型」、募集期間が定められている「単位型」などの分類も知っておきましょう。多くは追加型の投信のようです。
投信の税金に注意
投信は、分配金をもらうときと、解約(売却)するときに税金がかかります。ファンドによって異なりますので、注意が必要です。
◆分配金
株式投資信託の場合は、配当所得となり10%(平成21年4月以降は20%に戻る予定)の税金がかかります。しかし、公社債投信の場合は、配当所得ではなく利子所得となり、20%の税金となります。さらに、株式投資信託の分配金の場合は、「普通」と「特別」に分かれ、「特別」は非課税となっています。つまり、「特別」分配金は、元本を切り崩して(預かっていたお金)支払っているので、利益ではないという考え方ですね。毎月分配型などでは「特別」分配金もよく見られるケースです。
◆売買益
少々ややこしいのですが、ファンドを現金化したいとき、「解約」と「買取」の方法があります。「買取」で利益が出た場合「譲渡所得」となり、こちらも10%の税金がかかります(平成21年1月1日からは20%に戻る予定)。しかし、公社債投信の買取の場合は、非課税となります。ちょっと混乱しそうですね(苦笑)。
解約の場合(もしくは償還時)は、配当所得となり、やはり10%の税金となります。ところが、公社債投信の場合は、やはり利子所得となり、20%の税金です。
ですので、ご自分の持っているファンドによって税金のかかり方が異なりますので、注意が必要です。また、人気の毎月分配型は、分配の都度税金がかかっています。再投資型ですと、課税時期は先送りとなりますので、中長期で考えると同じファンドでも手取り金額が異なってきます。
リタイアされた方で、年金の補充として毎月分配を考える場合は、それもひとつの手段ですが、若い世代の方は「目先のお小遣い」よりも、将来の果実を考え、再投資したほうがおトクです。世代によって、また目的によって「分配」をどうするか考えましょう。
どんなファンドを選ぶか
上でも述べましたが、選ぶのが大変なくらい投信は種類が増えました。また証券会社だけでなく銀行窓口でも購入ができ、ずいぶん身近な金融商品となっています。
しかし、ファンドの内容によりリスク(プラスになったりマイナスになったりするブレ)も異なります。万が一、損が出ても許せる資金で行うのか、あまり利益が出なくても大きな損失を回避したいのか、によりどのようなファンドを選ぶのか異なります。
ファンドを選ぶときに考えておきたいリスクは、
●為替リスク 海外の債券や株を組み入れる場合為替差損益
●信用リスク 株、債券を発行している企業や国の状況による債務不履行
●金利リスク 金利の上昇による債券下落
●カントリーリスク 新興国の通貨や社会情勢・市場の不安定
などがあげられますが、その他様々な要素で投信の基準価格が変動する可能性があります。高齢の方で、今後の老後資金をあまり目減りさせたくない場合は、ローリスク・ローリターンで安全性重視のほうがいいでしょう。まだこれからしばらく働きながら老後資金を作る場合は、ミドルリスクをとっても挽回できる期間と資金があれば、ミドルリターンにチャレンジできます。
もちろん個々によって事情や資金許容量は異なりますので、投資前に十分考えてみてください。
文章:もも編集室 山中由美
1995年よりシニア生活情報誌「もも百歳」編集・企画に携わる。国内外の老人ホームを300ヵ所以上訪問調査、TVやラジオ、新聞、雑誌などからの取材も多く受けている。高齢者やその家族向けの「ホーム選び」セミナーや「老後のマネープラン」についての講義・セミナーを多数開催。 2級FP技能士、福祉住環境コーディネーター、NPO京都府グループホーム協議会監事、その他。
■もも百歳セミナー情報
http://www.momo100.net/column/index.html/
■blog 山中由美のここだけの話
http://momo-momo.sblo.jp/
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