~いちからはじめるお金の運用~①運用スタイルを考える
「お金の運用」の話があちこちで聞かれるようになっています。マネー関連の雑誌も増えましたし、新聞でマネーコーナーも見かけるようになりました。でも「運用」って聞くと「元本が割れたらどうしよう・・・」と思ってしまいますよね。確かに運用には「リスク」がつきものですが、2007年8月の『シニア世代のマネー講座』でも解説しましたように、「何もしないリスク」もあるのです。きちんと理解をして、自分の身の丈にあった運用を心がければ、運用を楽しむことができます。まずは、運用スタイルを考えて見ましょう。
運用スタイルを考える
運用をする際に、特にシニア世代に入ると「その後の人生設計(ライフプラン)」が重要です。運用は一概に「こうしたらうまくいく」というセオリーはありません。その人の人生の生き方にあわせたマネープランがあり、それに対してどういう成果をあげていくか、あげられるか、が大切。
ですので、まずは「これからの人生設計」をざっくり考えて見ましょう。
●下の表を参考に、ご自身のライフプラン&キャッシュフローを考えてみてください。
●「ライフイベント」には、子供の結婚、車の買換え、住宅の改築、海外旅行、などその年に実施しようと計画しているイベントを書き込みます。
●収入、支出は年間で計算してください。収入は給与や年金などの定期的な収入と、その他臨時的な収入に分けておきます。支出も同様に、生活費などの定期的支出と、ライフイベントに関する一時的な支出をわけておきましょう。
●年間の収支が何年後にどのようになっているか、どの時点で不安な要素が現れてくるのかをチェックします。
人それぞれの事情や年代でも異なります
マネー設計では「こうすれば良い」と一概にいえるものはありません。住宅を選ぶとき、個々人の事情や、年代や家族構成によっても選び方が異なってくるのと同様に、運用スタイルもそれぞれ。
◆年代によって考えておきたい
「シニア世代」「高齢者」とひとくくりにできないことはご存知の通りです。リタイア後と設定してみても、60代前半の方、70代の方、80代以上の方で、ライフイベントはもちろん、必要な資金も違ってきます。たとえば、60代前半では、少し積極運用をしてみてもいかもしれませんが、高齢になるとあまり危険な運用は避けておきたいものです。また、分配型の投資信託が人気ですが、60代前半はまだ働く方も多いでしょうし、とりたてて毎月資金が必要でなければ、分配型より再投資型のほうが将来受け取る利益は多くなる可能性があります。
◆運用可能資金
運用するには元金が必要ですが、借金してまで運用するのはあまりおススメしません(苦笑)。もちろん預貯金を全部、リスクのある運用にまわすのも避けねばなりません。どれくらいの資金を安全(元本保証)資金に置いといて、どれくらいを運用にまわすか、はその人の持つ資金量にもよります。たとえば10億円ある人が5億円運用にまわしても、生活を脅かされることはないですが、100万円だけの人が50万円をリスクのある商品にまわすと、万が一のとき生活が脅かされることになります。
◆性格も関係する?
性格も実は重要な要素です。儲かると悲しむ人はいませんが、損が出たとき(含み損)に、夜も眠れない、というくらい気になる方は、大きな金額を投資しない、ハイリスク・ハイリターン商品には投資しない、などの注意も必要です。運用商品はすべてが危険なものではありません。元本保証はないものの、比較的安定している金融商品もあります。
分散投資が基本/まずは少しやってみる
初めて運用する人は、なかなか頭で理解しようとしても難しくてイヤになってしまう傾向です。まずは、万が一のことがあってもあきらめられる金額、たとえば1万円だけでもやってみてはどうでしょうか。
実際自分がその商品を持つことによって、内容や仕組みが少しずつわかってきますし、またその関連情報に関心を持つようになり、自然と知識がついていきます。
たとえば、外貨預金で1万円だけドルを買ってみる。100円だと100ドル(手数料考慮せず)。ドルと円は毎日相場が変わります。今日100ドル1万円が、明日は10,300円になっているかも、明後日には9,800円になっているかも・・・毎日ニュースの為替相場をチェックしますね。そして、これくらい利益が出たら売ってみようかなと円に戻してみる。その後下がったら「ああ良かった」。もっと上がると「ああ、もう少しタイミングを待ったらよかった!」(笑)など、が理解できるようになります。
経済や社会への関心もさらに高まりますから、一石二鳥ですね。
その後少し、運用に関心が出てきたら、もう少し幅を広げてみましょう。
運用は『分散投資』が基本。分散にはいろいろなやり方があります。運用対象の分散(外貨預金、株式、投資信託、金・・・など)、商品そのものの分散(ドルとユーロ・・・など)、時間の分散(1月に購入、3月に購入・・・など)、対象国の分散(アメリカ、インド、中国・・・など)、など様々な分散の仕方があります。特に注意しておきたいのは、日本も輸入大国になっています。円安になったときのリスクヘッジとして、外貨保有というのもひとつの案です。
文章:もも編集室 山中由美
1995年よりシニア生活情報誌「もも百歳」編集・企画に携わる。国内外の老人ホームを300ヵ所以上訪問調査、TVやラジオ、新聞、雑誌などからの取材も多く受けている。高齢者やその家族向けの「ホーム選び」セミナーや「老後のマネープラン」についての講義・セミナーを多数開催。 2級FP技能士、福祉住環境コーディネーター、NPO京都府グループホーム協議会監事、その他。
■もも百歳セミナー情報
http://www.momo100.net/column/index.html/
■blog 山中由美のここだけの話
http://momo-momo.sblo.jp/
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