~運用による収支の差~
ずいぶん前に、「郵便局に定期で10年預けたら倍になる」という時代がありました。日本でもそんな高金利の時代があったのです。退職金でまとまったお金があれば、ある程度金利が大きな生活収入となっていた時代です。2000万円を4%で運用したら年間80万円(税引前)。今の国民年金満額より多いくらいです。しかし、ご存知のように長く低金利が続きました。ゼロ金利がようやく解除されたものの、まだまだ「金利で収入」までは遠いようです。
退職後の収入と支出、もし運用を何もしない場合とした場合ではどれくらい違ってくるのでしょうか。
セカンドライフを何も考えず送った場合・・・
さて、図はリタイアを迎えたAさん(60歳)夫妻が以下の条件で、今後30年の生活資金の状況をざっくりとシミュレーションしてみたものです。
退職金 1500万円
年金(65歳までは給与) 23万円(月)
生活費(1ヶ月) 25万円(月)
リフォーム(1回) 500万円(1回)
車買い替え(1回) 150万円(1回)
旅行(2年に1回) 50万円(1回:ただし70歳迄)
予備費(年間) 10万円
介護費用(80歳~) 18万円(年間)
まったく運用をせず、生活費やその他の費用を年金と預貯金の切り崩しだけで考えた場合、16年目の76歳のときに赤字に転落します。また、長寿の現在、90歳の時点では858万円の赤字になっているのです。これでは、安泰した老後を送ることができません。
運用と見直しをした場合・・・
Aさん、これではマズイと見直しをしてみました。まず、車の買い替えはやめて、今の車を大切に乗り、その後は高齢にもなるので、車は持たない(買い替えない)ことにしました。
さらに、3%の運用目標をたてました。今後元本が保証される定期預金などの金利が上がるかもしれませんが、まだまだ1%にはほど遠い状況です。いくつかの運用商品を組み合わせ、無理な利益を追求せず、考えました。
そうすると図のように、赤字転落は87歳に延び、90歳時点での赤字は295万円とずいぶん縮小されました。これを4%の運用で考えてみると、90歳での赤字は15万円となります(いずれも運用は税込)。
各国の政策金利
参考までに、下のグラフは、主要各国の政策金利です(2007/8/13現在)。ご覧のように、日本だけが非常に低い状況です。為替リスクはあるものの、外貨で運用をしてみるものひとつの案です。投資信託や個人年金保険をお持ちの方もいるかもしれませんが、海外の株式や債券で運用している場合は、もちろん外貨で運用されているので、為替でメリットが出る場合もあります(逆に損になる場合もあります)。
日本国内だけで、元本保証の預金だけで・・・というのは一瞬安心のように思えますが、実はそれが逆にリスクになる場合もあります。インフレが起こると、価値は目減りします。また、日本の現在の800兆円越えの赤字にも大きな不安(カントリーリスク)があります。日本の政策の動向も今後のマネー設計を考えるときには、見逃せない情報です。次の⑦では、中長期の運用によるお金の減り方・増え方をみていきましょう。
文章:もも編集室 山中由美
1995年よりシニア生活情報誌「もも百歳」編集・企画に携わる。国内外の老人ホームを300ヵ所以上訪問調査、TVやラジオ、新聞、雑誌などからの取材も多く受けている。高齢者やその家族向けの「ホーム選び」セミナーや「老後のマネープラン」についての講義・セミナーを多数開催。 2級FP技能士、福祉住環境コーディネーター、NPO京都府グループホーム協議会監事、その他。
■もも百歳セミナー情報
http://www.momo100.net/column/index.html/
■blog 山中由美のここだけの話
http://momo-momo.sblo.jp/
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