高野山で宿坊に泊まる旅
国内でも有数の霊場であり、お遍路さんが最後にお参りに行く場所としても有名です。そう聞くと「お年寄りが多いのか」と思いがちですが、実に多くの年代の人々が訪れるところです。2004年に世界遺産に登録されてから、外国人もとても増えたようです。実は、今回2回目の高野山。台風の影響が心配された7月中旬でしたが、標高約900mの避暑も楽しみに1泊2日の旅に出ました。
ここは極楽?!
大阪「なんば」から、南海電車で約1時間30分、だんだんと景色は山奥に入っていくという感じです。終着駅はなんとその名も「極楽橋」。レトロな駅で、情緒たっぷり。電車の駅と連結して、ケーブルカーに乗り換えます。自分が傾いているのか、ケーブルカーが傾いているのか、一瞬戸惑いを感じながらも、乗客は子供のように楽しそうに乗り込みます。
ケーブルカーからの景色も素晴らしく、自然の中の美しい高山植物や意外と色とりどりな花などを眺めながら、10分弱で山頂に。しかし、ここからまたバスで高野山町の中心地に向かいます。ハイキングもかねて健脚の方は、歩きで行く人も・・・
宿坊にチェックイン!
今回宿泊させていただくのは、『遍照光院』さん。弘法大師が創建された由緒あるお寺です。広大な敷地には美しく整備された庭や、多くの襖絵など、宿坊内だけでも見所いっぱい。もちろんお世話してくださるのは、お坊様ですので、申し訳ないやらありがたいやら・・・。小坊主さんに案内されて、お部屋に入ってびっくり。金張りの襖に10畳くらいの広い部屋。TVや金庫などもあり、本当に旅館と変わりません。広い縁もあり、窓からは美しい庭と山が見渡せます。
小坊主さんから、食事やお風呂の時間の説明を受けながら、お茶とお菓子を頂きます。なんだか旅館と変わりませんね・・・。
奥の院へ参道を歩く
台風の後でお天気は曇り、霧も出ていましたが、逆に荘厳な雰囲気がなんともいえず感動的でした。参道は、片道約2km、往復で4kmもあるのですが、苦になりません。空気の清々しさと景色の素晴らしさのせいでしょうか。お墓ばかりなのに、「景色がすばらしい」もちょっと変なのですが・・・(苦笑)
観光案内所や宿坊でも、「参道マップ」をくださいます。有名人(歴史的!)のお墓や見所ポイントが記載されており、「お墓探し」というのもヘンですが、歴史をひもときながらゆっくり歩き進むのは、予想外に楽しいのです。途中、案内係のお坊さんもおられ、様々な質問にも答えてくださいます。素晴らしい杉が乱立していますが、樹齢は800年前後だとか。てっきり1000年以上と思っていましたが、800年でもすごいですよね。
裏ネタ(?)もお話してくださったりして、結構楽しい会話です。「出る」スポットもあるとか(苦笑)。お坊様がおっしゃるのですから、信憑性があってちょっとドッキリ・・・
弘法大師のおられる「奥の院」は、本当に筆舌しがたい素晴らしい場所なのですが、残念ながら撮影禁止。謙虚な気持ちになれること、確実です。
お待ちかね!精進料理
奥の院から戻ったら、ちょうど夕方。先にお風呂をいただいて(温泉のように奇麗で広い!)、夕食はお部屋に運んでくださいました。精進料理といえば、山菜中心のアッサリ系・・・と思うかもしれませんが、ボリュームが多く、様々な工夫がなされており、大人の男性でも十分です。前回は違う宿坊でお世話になりましたが、どこの宿坊でも「お味」は絶品だそう。遍照光院さんは、各国の要人も来られるそうで、さすがにお味もびっくりの美味しさです(ホントに!)。
さらに、食事時のお酒もok! 食事を運んでくれた小坊主さんによると、「高野山ではお酒のことを般若湯(はんにゃとう)と言い、弘法大師も1杯のお酒は良いとおっしゃっておられたそうです」とのこと。また、「1杯は盃に1杯ともコップに1杯とも、おなかに1杯ともとれます」だそうです(笑)。
「ビールもあるんですか?」の問いには、「ビールは、泡般若と言います」と、冗談なのか本当なのか(笑)、にこやかに、ビールを出してくださいました(しかも、リーズナブル!)。
お腹がいっぱいになり、静かな夜をすごしました。さすがにテレビを見る気にもならず、食事に感謝し、お世話してくださるお坊様に感謝し、なんとこの日は21時頃には布団に入ったのでした・・・。
朝のお勤め
強制ではありませんが、毎朝「朝のお勤め(読経)」があります。朝7時には本堂に集まり、お坊様の読経を聞かせていただきます。時間はそれほど長くなく、足がしびれて辛い・・・というところまでいきません。せっかくの機会なので、ぜひチャレンジしてみるのがいいと思います。
お経のあとは、本堂の中にある仏様や絵の解説もしてくださります。遍照光院には、国宝や重要文化財も多く、これを見せていただくだけでも価値があります。さらに、やさしくおもしろくお説法も聞かせてくださり、なんだか頭が少し良くなったような、いい人に近づけたような・・・(笑)
残念ながら、ご本堂も朝のお勤めの様子も撮影は禁止でした。
かわりに、廊下に張ってあったポスターを・・・『腹が立つのは、相手が悪いからではなく、腹を立てる自分があるからだと、思って生きてみよう』
なるほど、ですね。
金剛峰寺
翌日はすっかり、晴天に。下界(?)より10度近く気温が低いといわれ、さわやかな気候です。お寺で朝食(もちろん精進料理)をいただいて、お礼を述べ、金剛峰寺まで歩いてみました。前回も来ましたが、何度来ても(といっても2回目ですが)見ごたえのあるお寺です。ここも広大な敷地と屋敷で、それぞれに言われのある「間」や襖絵があり、見飽きません。皇室もゆかりのある場所です。
とくに好きなところは、最後の出口に近い「お台所」です。昔ながらの大きな梁と、高い天井。実にいまでもこの台所は使われているそう。右端の写真中央のお釜は、なんと2000人ものご飯を一度に炊けるそうです。現在も使用し続けている、というところが良いですね。高野山に行ったら、ぜひ参拝してみてください。一見の価値ありです!
ここからは、少しオマケ情報・・・。高野山には、不思議なお店がたくさんあります。もちろんお土産物屋さんもありますが、地元のお店も多くあります。薬屋さん、本屋さんなど古いお店は、手書きポスターなどが多く、なかなか趣きのある店構えです。
また、沿道のあちこちで「高野槙」が販売されています。お参りにも使うようですが、庭木として植えられるよう、根がついたままの高野槙もあります。「高野槙」は、秋篠宮悠仁親王のお印にもなっています
右端の写真は、お土産に買ったものですが、フランスパンではありません。見た目も大きさも手触りもフランスパンそのものですが、これは「麩」です。前回も購入して、煮炊物に入れるととても美味しかったので、今回も購入! そのほかにも楽しく美味しいお土産がいっぱいあります。これからも年に1回は訪れたいと思っています。そんな魅力の「高野山」です。
■取材/もも編集室 どこでもレポーター モモ子
■高野山宿坊組合・高野山観光協会
http://www.shukubo.jp/
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