~もらえる年金が少なくなる?!~
今回は、これからの日本社会の状況次第で、どのように自分の生活収支に影響があらわれるか考えてみましょう。
まず、リタイアするとほとんどの人は「公的年金」が収入の大部分を占めると思います。不動産収入などのある人はラッキーですが、リタイア後の生活を考えたとき、ストック(株式や貯蓄など)よりフロー(定期的な収入)のほうが重要な要素を占めます。講座①で述べましたように、「あと何年生きなくちゃいけないか」がわからないと、いくら蓄えがあっても目減りして先行きが不安になるからです。
ご存知のように、年金モンダイが大きくクローズアップされています。少子高齢化にともない財源が非常に厳しい中、マクロ経済スライド導入で実質減になっていく可能性大です。さらに医療費や介護費などの社会保障コストのアップも否めません。この先、日本はいったいどうなるのでしょうか・・・
20年で15%年金ダウン?
国民年金も厚生年金も、以前は60歳からもらえていました。しかし原則65歳からの支給になりました(生年月日により段階的)。雇用延長などで65歳まで働ける環境は整ってきていますが、今までどおり同じというわけにもいかないようです。雇用延長しない場合は、年金支給までの5年間の収入が問題です。
また、従来は物価が上がると年金もそれにあわせて増えていましたが、「マクロ経済スライド制」により、今後は実質ダウンの可能性があります。少子高齢社会で年金の保険料を負担する若い人が減り、年金を受け取る高齢者が増えるので、このままでは年金制度が成り立たなくなります。年金財政を安定させるために「マクロ経済スライド制」が導入されました。受け取る年金の金額を約20年かけて15%程度引き下げられることになるので、影響は小さくありません。物価上昇に追いつかない年金額だと生活に直撃!ということになりますね。
どんどん重くなる医療費の負担
すでに医療制度の改正も行われました。70歳以上の医療費は、所得が一般の人は1割負担でした。しかし、2006年から順次制度が変更されています。高額所得者の医療費は2割→3割に。そして、2008年4月には、一般の人でも70歳~74歳の間は、1割→2割になります。
また、70歳以上の長期入院患者は食費・居住費が全額自己負担になる場合もあります。医療費が高額になった場合、一定以上の金額が戻ってきますが、その戻る金額も少なくなります。高齢になればなるほど、病気になる確率は高まります。講座②で述べました「介護費用」と同様、病気に「なれない」事態なのです。
そして、忘れてはならない「インフレ」です。ここしばらくはデフレ状態が続きました。しかし、景気の拡大や世界的な資源(原油など)の高騰により、今後はインフレも懸念されます。「金利が上がることは喜ばしい」と思う方もいますが、逆にお金を借りることは大きな負担となります。そして、金利以上に物価が上がると、今ある現金資産は目減りすることにもなります。
おさらいです。
■増加する支出要因 医療費・介護費の負担増 インフレ
■減少する収入要因 年金のダウン
増える支出と減る収入。リタイア後の生活は「増やす」より、まずは「減らさない」工夫が必要ですね。
文章:もも編集室 山中由美
1995年よりシニア生活情報誌「もも百歳」編集・企画に携わる。国内外の老人ホームを300ヵ所以上訪問調査、TVやラジオ、新聞、雑誌などからの取材も多く受けている。高齢者やその家族向けの「ホーム選び」セミナーや「老後のマネープラン」についての講義・セミナーを多数開催。 2級FP技能士、福祉住環境コーディネーター、NPO京都府グループホーム協議会監事、その他。
■もも百歳セミナー情報
http://www.momo100.net/column/index.html/
■blog 山中由美のここだけの話
http://momo-momo.sblo.jp/
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